世界の漆喰

漆喰の歴史

その歴史は古く、はるか5000年を遡ります。古代エジプトのピラミッドの壁やギリシャ、ローマ時代の建物にも使われ、アジアでは中国の万里の長城にレンガを積む石灰モルタルとして使用されました。古代ギリシャ時代から近代ヨーロッパへと継承されてきたフレスコ絵画の伝統も、漆喰の材料と技術の精髄といえるでしょう。
日本では1300年前の、奈良時代、平安時代からあり、セメントが無い時代に高級建材として特定の建物に使用されていました。海草糊を使用する独特の工法が開発され、日本の建築文化を長い間支えてきました。特に普及したのは江戸時代で、江戸や地方でも幾度となく起きた大火に備える為でした。住宅の密集に伴い防火の意味で一般の建物にも大いに奨励され広く使われるようになったのです。
漆喰壁は大事な財産を守る為の手段でした。そして明治維新後もレンガ造や木摺りの上に何層も塗り重ねる本漆喰の工法として、洋館造りの内外装に使用されました。 セメントが登場したのはわずか150年前、新建材に多様される化学樹脂系の材料に至っては数十年の実績しかありません。
漆喰が5000年の歴史を持っている事は、まぎれもなく素晴らしい本物である事の証明です。

「母なる大地 南仏プロヴァンスの奇跡」フランスの漆喰壁

フランスの漆喰壁 南仏プロヴァンス地方で採れる天然素材を、現代の技術で製造しています。
石灰岩を積み上げ漆喰で固めた外壁は、柔らかく素朴な雰囲気です。
フランスの漆喰作りのポイントは全体的に白っぽい色使いで、やや大きめな石積パターンをベースに漆喰風に表面を仕上げます。
家造りの中で手作りの楽しさもいかがですか?

スイス本漆喰~健康で上質なインテリアを作る漆喰~

スイス本漆喰 スイス、ドイツで中世の建物に使われてきたスイス漆喰は、現代において、さらに進化しています。
生物のように呼吸する住宅が、住む人と環境を健康にするという考えが注目され、健康で安全な住宅や暮らしを作る合言葉として、世界の建築家に広がっています。

スペインの漆喰~太陽と青空が生んだ純白の宝石~

スペインの漆喰 スペインでは、漆喰壁が白く輝いています。
なぜなら、水を大量に使う漆喰は乾くのに時間がかかり、ゆっくりと乾いてく間に、純粋な炭酸カルシウムが結晶化。透明な方解石の結晶ができるからです。その結晶が太陽の光をキラキラと乱反射して、白く輝くのです。

イタリアの漆喰

イタリアの漆喰イタリアの漆喰 イタリア漆喰は、古代ギリシャから古代ローマへ、そして現代に至るまで使われ続けています。
驚くべきことに、2000年以上もの実績があることになります。

イタリア漆喰は、自然で上品な風合いと重厚な質感が魅力的です。センスのよい落ちついた空間を作り出します。
主成分はこだわりの石灰に大理石粉・大理石粒などを混ぜています。どのイタリア漆喰も、みがけば重厚感のある美しいつやが出ます。時の経過に従って味が出てくる仕上材です。
20世紀になって開発された新しい塗り壁材に比べれば、安全性についてもそれだけの実績があるわけです。

日本の漆喰

日本の漆喰 日本での漆喰塗りの歴史は1300年前まで遡り、建築材料として使用されたのは平安時代初期の神社仏閣建築からと言われています。戦国時代には各地で盛んに築城された城郭建築によって、眩しく輝く白壁が富みと権威の象徴となり、また機能面では壁としての耐久性の高さと防火性により城郭や財産を守るために使用されました。石灰と海藻糊を混ぜて使う独自の漆喰工法が確立され、漆喰が城に使われたのはその優れた防火性と耐久性など、これらの長所を生かして江戸時代には火災の多い町を守るために、裕福な商人屋敷の土蔵や神社仏閣に使われました。また、明治維新後には洋風建築が盛んになり一般住宅の内装材としても広く使われるようになりました。

中国 万里の長城

中国 万里の長城 アジアでは中国の万里の長城にモルタル、つまり煉瓦をつなぐ接着剤として漆喰が使われていたようです。万里の長城の石積みのつなぎに使われたのも漆喰。西安の城壁など、古い時代の建造物が崩れもせずにたくさん残っている理由は、漆喰のおかげとも言われています。

ヨーロッパ~自然素材の確かさを物語る西洋漆喰~

ヨーロッパ~自然素材の確かさを物語る西洋漆喰~ ヨーロッパでの漆喰の歴史は古く、古代エジプト時代には、既にあちこちで漆喰が使われた形跡があるようです。ヨーロッパ大地そのものが石灰岩で覆われており、漆喰の主成分である石灰が豊富に入手できた理由でもあります。ヨーロッパは石の文化です。建物の耐久性、持続性は、日本人の想像以上に永く、100年以上住み続けることが一般常識です。西洋漆喰 パビスタンプ/レビスタンプも100年以上の耐久性があります。

ギリシャ ~景観がエーゲ海に映えて美しい建物~

ギリシャ ~景観がエーゲ海に映えて美しい建物~ ギリシャでも、白くない建物はあります。一部の地域では、観光用の美観保持のため、条例で窓枠以外の外装は白に統一するように指定されている場所はあるようです。なお、その地域では、昔、猛威をふるったある疫病にたいして、防菌効果のある白い素材を壁の塗料に使うことで衛生面の効果があり真っ白な建物が多かったらしいです。白い建物ばかりの景観がエーゲ海に映えて美しいと評判になり、観光面での収入が増えたことから、疫病の心配がなくなった現代でも、白い建物の景観を保持しようと、条例になっているそうです。